今回の二重サッシの取り付けは、木枠と一体型のカーテンボックスが付いていて、しかも左上部は木枠から直接カーテンボックスの枠が伸びるという、簡単には増し枠の設置が出来ない窓
です。
(右側のようにカーテンボックスの枠と木枠のたて枠がずれていればあまり問題がないのですが。)

このように木枠のたて枠正面(見付といいます)から、直接カーテンボックスの枠が伸びていますので、カーテンボックスをかわすため、増し枠をカットして取り付けることになります。
また、今回の増し枠のふかし寸法は25ミリですが、外側のカーテンレールがぎりぎりの位置にあるため、少し部屋内側への移設も行います。

写真は木枠上部に増し枠の芯材(ヨコの芯材)を取付けしているところです。
カーテンボックスがあって正面から電動ドライバーが使えないため、写真では分かりにくいかも知れませんが特殊な工具を使ってビス止めしています。
この工具はビスを90度曲げた位置から電動ドライバーが使える優れものです。
(このようなスペースが限られた狭い場所で役に立ちます。)
また、横に白いラインが入っているように見えるのは、後で説明しますが、必要があってスペーサー(平板)を貼りつけたためです。

そして、増し枠のタテ材も写真のように切り欠いて取付け致しました。
(写真はカバーの樹脂材を被せた後のものです。)

また、左下は木枠の見付から幅木が伸びる形でついています。
こちらも増し枠のタテ材を切り欠いて取り付ける必要があります。

下枠に増し枠の芯材(ヨコの芯材)を取り付けます。
芯材の後ろに見える白い部材は上部と同じようにスペーサー(平板)を貼ったものです。
(理由は後で説明致します)
ここは正面から電動ドライバーが使えますのでそのまま留めます。
ちなみに、写真手前に写っている白い部材は芯材に被せる樹脂カバー材です。
左の隙間にはタテ材が入ります。

左増し枠の芯材を取り付けます。
(幅木をかわすために芯材を切り欠いて取り付けています。)

タテ樹脂カバー材やコーナーピースと呼ばれる角の化粧部材も、幅木分を切り欠いて、この角は写真のように取付け完了です。
写真では分かりづらいと思いますが、増し枠の下枠材は床から3ミリほど浮いています。
そして、角のコーナーピースの部分が床に着いています。
実はよくある既存の木枠見付の幅は25ミリが主流で多く、増し枠も25ミリの見付幅です。
コーナーピースをそのまま取付ようとすると、増し枠の樹脂カバー材にさらに被せる形での取付けになるので、床(または壁や天井)から27ミリ以上離れていないと取付が出来ないのです。
そこで、スペーザー(平板)で開口部を3ミリ程少し小さくして、床(または壁や天井)から27ミリ確保してコーナーピースを取り付けています。
これが先程から、後で説明すると述べてきたスペーザー(平板)を上下の木枠に貼りつけた理由です。
(写真手前に写っているのがスペーサーです)

右上部に増し枠の芯材をタテヨコとも取り付けた後の写真です。
既存の木枠はタテとヨコの見付位置が3ミリ程段差になっていることが多いですが、この段差もスペーサーで埋めてなくしています。
そして、先程説明したようにコーナーピースをスムースに取り付けるためのスペーサーを貼った状態です。
ちなみに、右側は既存木枠のタテ枠とカーテンボックスの枠がずれていますので、切り欠くことなく取付ができます。

樹脂カバー材やコーナーピースも取り付けて、右上増し枠の完成写真です。
右上はスペーサーを貼って天井(カーテンボックス)から27ミリ確保したことで、コーナーピースも綺麗につきました。
また、通常はこのように増し枠自体も切り欠いたりすることなく綺麗に取付け出来ます。

最終的に内窓の戸当たり枠や上枠及び障子(戸)を吊り込んだ、右上部最終の完成後はこのようになります。

この写真は別の窓ですが、下の木枠が25ミリに足りずスペ―サーで調整できるレベルでもありません。
このような場合には増し枠のタテ枠を床までの長さにして、下木枠の見付幅で切り欠いて設置します。
下の増し枠部分は純正のものではなく、寸法を合わせた造作材で処理します。
床に転がっている白い棒が造作材です。(取付前です)

造作材を設置するとこの写真のようになります。

戸当たり枠と下のレールを取り付けた状態はこのようになります。
コーナーピースを取り付けないこの方法でも、写真のように綺麗に納まります。

二重窓の完成です
完成後の全体写真です。
カーテンボックスの中にも綺麗に納まり、圧迫感もなく、大変ご満足頂けました。

参考までに、同じ部屋の腰高窓の施工前後写真も掲載させて頂きます。
これは施工前の写真です。

内窓設置後(施工後)の写真はこちらです。
今回の窓のように、既存のサッシがブラックやダーク系の色だと「内窓を白にするとおかしくないか?」というお声をよく頂きます。
しかし、写真を見て頂くと分かると思いますが特に違和感はないと思います。
逆に窓や部屋の感じが明るくなったということで、喜んで頂けることも多いです。
もちろん、好みの問題ですのでダーク系が好みの方はそのような色を選択されれば良いと思いますが、この施工例の内窓プラストはダーク系の色設定がありません。
その理由はメーカーが手を抜いている訳ではなく、ダーク系の色はあまり耐久性が高くない為です。
内窓は樹脂(簡単に言えばプラスチック)で出来ていますので、ダーク系の色は変色しやすいのです。
よくベランダなどの外に出しっぱなしの洗濯バサミなどが白っぽい粉などをふいて色があせているのを見たり、割れてしまったりした経験をもっている方は多いと思います。
これは紫外線劣化によるものですが、内窓も日当たりの良い窓に設置した場合には、少し紫外線劣化が起こります。
やはり、ダーク系の色は色あせが起こりやすいのです。
このため、内窓プラストはメーカーのこだわりとしてダーク系の色はあえて作っていないのです。
また、内窓プラストは使用している樹脂の配合も自社で行っているこだわりの製品です。
そのため、他社製品に比べて耐久性も高くなっています。
(紫外線劣化で割れるようなことはほとんどありません。)

この窓のお客様は匿名ではありますが、大変ご満足頂けましたので、窓の前で写真を撮らせて頂くことが出来ました。
ありがとうございました。
