築40~50年以上は経っていると思われる古いビルにはスチール(鉄製)のサッシが使われていることが結構あります。
(アルミサッシが普及する前の時代です。)
この手のサッシはいまだに沢山残っていて、結構苦労されている方が多いと思います。
(苦労とは、スチールサッシは隙間が多くかなり寒いです。音もかなり入ってきます。また、重たく動きも悪いのです。)
今回ケースはビルの換気システムがかなり強力なため、特に動かすと、窓からの隙間風がものすごく、冬はとても寒いというものでした。
店舗ですので、商談も行う部屋ですからお客様に不快な思いをさせたくないということでした。
スチールのサッシの場合、全く木枠部分がないと内窓の取付は厳しいのですが、今回はほんの1~2cm程度の木枠があったため、かなり苦労はしましたが、何とか取付することが出来ました。
このようにドアもかなり古く(懐かしい感じでしょ)、隙間だらけの状態でした。
木枠が若干あるものの、段差も多く苦労しました。
本当はエアコンのパイプのところに柱を立てたいところですが、それも出来ません。
仕方ないので、窓側とドア側それぞれに造作材を加工して何とか開口部を作り、パイプは挟みこむような形で処理しました。
エアコンパイプを移設することなく、何とか設置出来ました。
店舗ということで予算にも制限がありますから、かなり難しい工事になることが予想されましたが、低コストで何とか最低限の対策は出来たのではないかと思います。
最低限というのはコスト削減のため、ドアはインプラスを採用致しました。
結果、換気の力が強く、インプラスのドアが少しゆがむ(気圧の差で上下が引っ張られる)ような形で隙間が出来てしまい、やはり少し風が入って来てしまいました。
もちろん、以前よりはよくなったのですが満足できるレベルではありません・・・。
(インプラスのドアはお値段は安いのですが、やはりちょっと強度が弱いですね。)
そこで、ドアの上部にはカンヌキ鍵を付けて戸を押さえ、下はドアストッパーで戸を押さえることにしました。
(出入りするときはちょっと不便ですが、風が止まる方が優先です。)
強力な換気システムがあるので風の侵入をゼロにすることはできませんでしたが、かなり改善致しました。
(プラスト等、より気密性の高いドアサッシを使っても、恐らくこのケースではゼロには出来ないであろうと想像しています。)
スチールサッシは、やはりなかなか難しい窓ですね。
この施工例の窓部分は内窓プラスト、ドア部分はインプラスで、それぞれ3ミリ1枚ガラスと組み合わせています。